エンジニア採用担当が知っておくべきマクロな採用環境の今とこれから

scoutyのマーケティング担当の染谷です。
今回は、国内のエンジニア採用のマクロな環境をまとめてみました。

・今、国内にどれくらいのエンジニアがいるのか?
・今、どれくらいエンジニアが足りていないのか?
・これから、エンジニア採用の環境はどのようになっていくのか?

この辺りについて具体的な数字を挙げながら書いております。今後のエンジニア採用を考えるご参考になれば幸いです。
なお、環境をまとめるにあたり必要なデータは、各省庁や独立行政法人の統計情報や求人事業者の発表している数字を使って、一部推定も重ねながら作成しております。

エンジニア採用の現在:国内のITエンジニアは約72万人、約19万人足りていない

まずは、現在はどのような状況なのかについてまとめて見たいと思います。

経済産業省が発表している「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査」によると2018年の「IT人材」の数は約92万人となっています。但し、この「IT人材」には事業企画やコンサルタントなども含むので、これらを除いて技術者(エンジニア)だけに絞ると約72万人となります。
この約72万人が国内のITエンジニアの人数です。

この調査では、さらに日本全体でどの程度ITエンジニアの人数が足りていないかも集計しています。この数値を基にすると国内で約19万人のITエンジニアの不足があると言えそうです。
エンジニア採用に苦戦されている企業も多いと思いますが、既に国内のエンジニアは需要が供給を大幅に上回っている状況になっております

エンジニア採用の現在:エンジニアの求人倍率は約7倍、一方で転職潜在層は約49万人も存在する

さらにこの中で、今どれくらいの人が転職活動をしているのか、あるいは転職を積極的に考えているのかを見てみましょう。

約67.4%(約49万人)のエンジニアが転職潜在層に該当する(出典:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果)

転職潜在層は約49万人も存在する

さきほどの調査の「転職に対する考え方」の項目では「より良い条件を求めて積極的に行いたい」「より良い条件の仕事が見つかれば、考えてもよい」という回答を合計67.4%の方がしています。これらの方々は、仕事の内容や条件によっては転職を検討する転職潜在層の方と言えます。先程算出した国内のITエンジニアの数を基に試算すると、転職潜在層のITエンジニアは約49万人となります。
より良い条件があれば、と考えている転職潜在層の方は、実はかなり多く存在するということがわかります。

転職顕在層は約1万2,000人ほど

さらに今、転職活動中の、いわば転職顕在層のエンジニアが何人存在するかも試算してみます。雇用動向調査の数字を活用すると、情報通信業の離職率は年間10.2%となっています。先程算出した国内のITエンジニアの数から試算すると、約7万3,000人というのが年間の転職者数になりそうです。

ここから現在、転職活動中の人数に絞ってみます。リクナビNEXTの記事を見ると、準備や内定〜入社の期間を除いた、実際に求人への応募や面接を行う期間はおよそ2ヶ月のようなので、年間約7万3,000人の1/6、約1万2,000人が今このタイミングで転職活動中(転職顕在層)のITエンジニアの人数となります。

ちなみに、これをscoutyで取得できているデータで地域毎に配分すると首都圏で約7,600人、関西で約850人、東海で約270人、九州で約190人、東北・中国でそれぞれ約90人、四国で約40人のITエンジニアが転職活動中であると試算できます。エリア毎に絞り込むとかなり限られた人数になっていきます。

さて、今述べてきたエンジニアの転職検討状況についてグラフにまとめてみます。

割合になおすと転職顕在層は全体の2%、転職潜在層は全体の67%

このように、エンジニア全体を俯瞰して見ると転職活動を実際に実施しているのはごくわずかで、多くが転職意欲はあるものの転職活動をアクティブには行っていない転職潜在層だと言えます。

熾烈な転職顕在層の獲得競争と転職潜在層のブルーオーシャン

DODAの発表している転職求人倍率レポートを見ると、2018年のエンジニアの求人倍率は約7倍です。この求人倍率は転職求人倍率 = 求人数(採用予定人数)÷ 転職希望者数で算出しているようなので、日本全国に約1万2,000人の転職活動中の転職顕在層がいるのに対して、その7倍の約8万4,000人分の求人が日本全国に出ていて、熾烈な人材獲得競争をしているという状況です。

一方で、日本全国に約49万人いる転職潜在層に対しては多くの会社がアプローチをできていないブルーオーシャンです。このような転職潜在層がより簡単により良い仕事の選択肢を得ることが出来たり、企業からも適切な情報を届けられたりすることで、転職者にとっても企業にとってもより良い状況が作れるのではないかとscoutyでは考えております。

エンジニア採用の今後:人手不足度はさらに高まり、2025年には求人倍率10倍を超える?

さて、ここまでは今の状況についてまとめてきました。ここからは、将来のエンジニア採用の環境がどうなっていくのかについてもまとめてみましょう。

IT人材の不足規模は年々高まっていく(IT人材の最新動向と将来推計に関する調査より試算)

経済産業省の調査結果によると人手不足の具合はさらに増していきます。大きな原因は、IT化がより一層進んでいくための人材ニーズが高まる一方で、少子化に伴う人口減少で労働力が減っていくためです。ちなみに、国内のエンジニアの労働力は2019年をピークに、それ以降は減る一方だと予測されています。

先程述べた通り、求人倍率は7倍とすでに過酷な倍率になっていますが、今後さらに競争は熾烈になるのです。先程算出した数字を使ってさらに試算(※)してみると2020年には求人倍率8.4倍、2025年には求人倍率12.6倍、2030年には求人倍率18.1倍となる試算ができます。

※上記の計算と同じ方法でIT人材の数から転職活動中の人数を算出し、IT人材不足数から求人化される割合を 2018年の求人数/2018年の人材不足数 と仮置きした上で試算

まとめ:今からできるエンジニア採用の工夫とは?

現時点でさえ、難しい国内のエンジニア採用ですが、今後さらに難しくなることを考えると今から対策を打っていくことが重要です。

対策:重要となる転職潜在層へのアプローチ

その一つの手段は、先程も述べたように転職潜在層への採用活動を開始することです。転職活動中の方が約1万2,000人しかいないのに対して、転職潜在層は約49万人も存在します。そして、多くの企業がこの層を対象とした採用活動を本格的に始めているわけではありません。現時点で転職潜在層をターゲットとした採用活動は、国内のエンジニア採用におけるブルーオーシャンと言えます。

例えば、採用広報を強化すること、転職潜在層向けのイベントやダイレクトリクルーティング(もちろん、scoutyを活用していただくことも有効です)を行っていくこと、タレントプールを運用して自社の転職潜在層採用のパイプラインを構築することなどが実現できれば、それは将来的に今よりエンジニアの不足が深刻になったとしても有効な手段となっていきます。

対策:重要となる働きやすい文化・風土づくり

そしてもう一つは、自社のエンジニアにとって働きやすかったり、働く意義を感じたりする職場にすることです。
ここで一つグラフをお見せします。

企業の文化・風土が良いほど、IT人材の充足度は高い(出典:IT人材白書2018)

IT人材白書によると、例えば「社内の風通しが良い」、「成長する、学び合う土壌がある」、「リスクをおって新しいことにチャレンジする」などポジティブな企業の文化や風土を持っている企業は、そうでない企業に比べて人材の不足感が少ないという調査結果が出ています。つまり、働きやすい職場を作ることが人材の充足にもつながってくるのです

転職市場がさらに売り手市場になる環境下で、会社はより一層「選ばれる」側になるので、今から働きやすい文化・風土を作ることは非常に重要です。

 

以上のように、国内のエンジニア採用の環境について今とこれからをまとめてみました。
数字の試算については、多少強引に算出した部分もありますが、大きくは間違っていないかと考えております。

ちなみに、弊社scoutyの自社採用も転職潜在層へのアプローチ(scoutyを活用した採用・リファラル採用)をメインにエンジニアの採用活動をおこなっており、そこから数名の採用を実現できております。

皆様の採用活動等のご参考になれば幸いです。

 

※参考資料
IT人材白書2018 (独立行政法人情報処理推進機構)https://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/about.html

IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果(経済産業省)http://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160610002/20160610002.html

転職求人倍率レポート(DODA)
https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/

雇用動向調査(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/9-23-1.html

転職活動にはどれぐらいの期間がかかる?ケース別・転職活動スケジュール(リクナビNEXT)
https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/2022/

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